ヘアカラーの色落ちが早いのはなぜ?原因とヘアカラーを長持ちさせる方法
こんにちは。
あすなれ編集部です。
定期的に美容室でカラーリングをしている皆さんは、こんなことを思ったことはありませんか?
美容室でヘアカラーをされている方の大半が、色落ちの早さで悩んでいます。
皆さんの悩みを解決するために、原因と対策について書いていきます。
シャンプーが原因の場合もあります。ですがそもそも、なぜシャンプーを変える必要があるのかご存知でしょうか。
そのへんもふまえて、解説していきたいと思います。
※わりと専門的な話になってきます。
分かりにくいという場合は、目次から「具体的なヘアカラーの色落ち対策」を選択して、そこから見ることをおすすめします。
ヘアカラーの色落ちが早い原因は?
ヘアカラーの色落ちが早い原因は、主にこの3つが大きく関係してます。
・髪のpH(ペーハー)によるカラー剤の流出
・CMCが不足している
・過酸化水素などの薬剤残留
ひとつずつ順に説明していきましょう。
※重要※pH(ペーハー)について
皆さんは、pH(ペーハー)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
このペーハーという言葉と考え方は美容室の現場では頻繁に使われています。
ペーハーを調べてみると、Wikipediaでこんな風に記載されています。
水素イオン指数(すいそイオンしすう、独: Wasserstoffionenexponent
)とは、溶液の液性(酸性・アルカリ性の程度)を表す物理量で、記号pH(英: potential of hydrogen)で表す。水素イオン濃度指数 または水素指数 とも呼ばれる。1909年にデンマークの生化学者セーレン・セーレンセンが提案した 。現在は水素イオンの活量により定義される。
ちょっと難しいですね…。
読む気を失くしてしまいます(笑)
こちらでは図解で分かりやすく説明されています。
※引用元:デミ コスメティックス「髪と頭皮の基礎理論」
簡単にいうとpHとは、水溶液の性質をあらわすひとつの単位です。
例えば、長さをあらわすのに「m」(メートル)という単位がありますね。
そんなイメージです。
水溶液の性質を知るために、必要な単位ということですね。
pH値は水溶液の、どのような性質をあらわすかというと
- 酸性
- 中性
- アルカリ性
を表します。
この言葉は聞いたことがある方が多いと思います。
例として、
・レモン汁は酸性
・水は中性
・石鹸水はアルカリ性
と、覚えておくと良いでしょう。
pH(ペーハー)は髪とどんな関係があるの?
昔、「素肌と同じ弱酸性♪」なんて花〇さんのビ〇レが洗顔のCMをしていました。
人間のお肌は弱酸性の状態が、もっとも安定した状態です。
ずっと石鹸水(アルカリ水)に肌を浸したままだと、肌荒れで大変なことになってしまいますよね。そしてこれは、髪の毛にも同じことが言えます。
髪の毛も。素肌と同じ、弱酸性。
髪は「アルカリ状態」が続いたままだと、負担となってしまいます。
ただ、石鹸で髪を洗う方はそんなにいないと思います。
ですが「美容室でのヘアカラー」「自宅でのセルフカラー」で、髪のpH(ペーハー)は上がります。
この「アルカリ髪」状態こそが、色落ちの最大の原因です。
(この状態が続くと、パサつきなど様々な悩みを引き起こします)
カラー剤やパーマ液などに含まれる「アルカリ剤」は、髪を膨潤させます。
わかりやすく言うと、キューティクルが「開きっぱなし」ということです。
そうすると、フタをしていないようなものなので、ヘアカラーの色素はどんどん流出してしまいます。
また、ヘアカラーの色素だけではなく、トリートメントなどの栄養分も流れてしまいます。
ですのでカラーリングをした後は
「アルカリ性から弱酸性に戻す」
ことが、とても重要です。
そうすることでキューティクルは閉じ、色素が定着してくれます。
美容室でのヘアカラーの場合、美容師さんがアルカリ状態⇒弱酸性へと誘導する施術を行ってくれていれば問題ありません。
ですが、中にはコスト上の問題でやらない美容室もあります。
自宅でセルフカラーすると色持ちが悪いのは、本来こういった美容室で行う施術が、自宅では出来ないからです。
なのでヘアカラーが長持ちせず、すぐ色落ちしてしまいます。
ですがアルカリ剤が必ず悪いというわけではありません。
素敵なヘアカラーを楽しんだり、パーマで可愛くなったり、カッコよくなるためには、アルカリ剤は欠かせない薬剤です。
今は薬剤の進化により、アルカリ除去する薬や、髪のpH(ペーハー)を下げる薬剤が多くリリースされています。
大事なのは、薬剤による施術の
「その後のアフターケア」
です。
〇〇が不足しているとヘアカラーの「色落ち」が早い!
ズバリ言うと「CMC」です。
髪の毛にはCMC(細胞膜複合体)といわれるものがあります。
CMCを簡単に説明すると、
・髪の細胞同士を接着して剥がれにくくする
・薬剤(カラー剤やパーマ液)の通り路をつくる
といった機能を持っています。
美容室でおこなうトリートメントは、このCMCの補充が一般的です。
少し話は変わりますが「枝毛、切れ毛」で悩みの方も、このCMCが不足しています。
CMCは、細胞同士を接着する働きを持っています。細胞とは、キューティクルやコルテックス(髪の中のタンパク質)のことです。
CMCが不足する最大の原因は「ヘアアイロンなどによる熱」が挙げられます。
日常のヘアセットで熱を加えることによりCMCが流出、すると細胞同士の接着力が弱まります。その結果、切れ毛や枝毛になってしまいます。
ですのでヘアアイロンを使うのであれば、定期的にCMCを補充することで切れ毛や枝毛を防げます。
そして、このCMCが不足している状態でヘアカラーをすると、すぐ抜けてしまいます。
CMCは接着としての機能だけではなく、薬剤の通り路をつくる機能も持っています。
通り路とはつまり、髪のすみずみまで薬剤(カラー剤)を届けてくれることです。
CMCが足りないと、カラ―剤の発色が奥まで届かず、表面のみでの発色になります。
そして結果的に、洗うとすぐカラーが落ちるということになってしまいます。
CMCに関しては、こちらもご覧ください。
ヘアカラー剤の薬剤残留
そして最後は、薬剤の残留です。
ヘアカラー剤には「過酸化水素」というものが含まれています。これは、カラー剤だけでなく、パーマ液の2剤にも含まれています。
カラー剤に含まれる過酸化水素の役割は、
・髪のメラニン色素を分解して、脱色
・染料を酸化重合して発色
という役割があります。
(ちなみにパーマの2剤に含まれる過酸化水素は、パーマ1剤で還元した髪の中のS-S結合を酸化して、再結合させる役割をします)
カラーやパーマの施術の際には欠かせないアイテムですが、髪に残留すると色落ちの原因になります。
どういうことかというと、残留している過酸化水素がメラニン色素やカラー剤を分解してしまいます。
そして「カラーリングの色が早く落ちてしまう」といった現象が起きてしまいます。
なので過酸化水素も、必ず除去することがヘアカラーの色落ち防止に役立ちます。
また、余談ですがこの過酸化水素が髪に残留すると皮脂も分解されてしまいます。
そうすると、どうなるか?
頭皮から、とてもイヤな臭いを発するようになります。(過酸化シスといって、毛乳頭を攻撃してしまいます)
ですので、
「頭皮の臭いが気になる」
「夕方には頭が臭くなっている」
という方は、髪に過酸化水素が残留している可能性があります。
過酸化水素の働きを止める&取り除く機能を持ったシャンプーを使いましょう。
具体的なヘアカラーの色落ち対策
では具体的に、どのように対策していけばいいのでしょうか?
以下、3つにまとめてみます。
①pH(ペーハー)の高いものでシャンプーするのはやめる
pHの高いシャンプーを使うのはやめましょう。
わかりやすいのが石鹸などです。
(石鹸シャンプーも含む)
また、あまりにも安価なシャンプーはpHが高い可能性があります。(脱脂力の強いシャンプー剤など)
キューティクルが開いてしまい、ヘアカラ―の色素が流出してしまいます。
また色素だけでなく、栄養分も流れます。
ですので、せっかく美容室でトリートメントしても無駄になってしまいます。
カラーリングの色持ちを考えたシャンプー剤を使うことで、きれいな髪色を楽しめます。
②定期的にCMCを補充する
CMCは髪のすみずみまで薬剤を届けてくれる機能を持っています。
CMCが不足していると薬剤(カラー剤)が髪の奥まで到達できず、表面だけに留まります。
すると、色素がすぐ流出してしまいます。
CMCという十分な土台があることで、ヘアカラーがきれいに染まります。
ですので定期的に補充することが大切です。
また、枝毛予防や切れ毛予防にも繋がります。
③薬剤除去機能を持ったシャンプーを使う
カラーリングの最大の問題となるのが「過酸化水素の残留」です。
髪に残留した過酸化水素を取り除かないと、これらが色素を分解してしまい、どんどん髪色が明るくなる=色落ちしてしまいます。
またそれだけではなく、薄毛や頭皮の悪臭といった原因にもなります。
残留した過酸化水素は、通常のシャンプーでは取り除けません。
これらは「ヘマチン配合のシャンプー」を使って取り除くことができます。
ヘマチンを使うことによってカラー剤の酸化しきれていない酸化染料が酸化重合(発色)もするので、ヘアカラーの色落ち防止になります。
さらにヘマチンは薬剤除去機能だけではなく、白髪予防と育毛の面でも効果的です。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下のとおりです。
- 髪のpH(ペーハー)を弱酸性(細かく言うと等電点といいます)に保つ
- 髪にCMCを補充する
- 髪に薬剤を残さないようにする
色落ちの原因、そして対策について書いてみましたがいかがでしたか。
これらを意識することでヘアカラーの色持ちは、かなり変わります。
またそれだけでなく、髪も綺麗になるといったプラスの効果も期待できますよ。
ヘアカラーの色落ち対策は自宅で簡単に出来ますので、お悩みの方は取り入れてみてください。
明日からケアに取り入れて、素敵なヘアカラーを楽しみましょう。